佐官
軍隊における少佐・中佐・大佐の階級に就く者を指す。尉官の上位に立つ指揮官であり、将官の下位に位置する軍隊における中堅階級。戦術的な指揮を執ることが多い尉官と、戦略的な指揮を執ることが多い将官の任務を兼ねることが多い。ティザン公国陸軍、空軍、親衛軍では大佐のことを「たいさ」と発音するが、水軍では伝統的に「だいさ」と発音する。
サキ
本名キサラギ=サキ。女性。身長158cm、色白、藍色の長髪(いつも三つ編み)、茶色の瞳。カシュウスの3歳年上の義姉。兄カイネスの妻。兄の戦死後、遺された母とカシュウスを守り育てた姉のような人物。カイネスとは幼馴染で、17歳で結婚、18歳という若さで未亡人となったが、幾多の縁談を断り、再婚することはなかった。公国暦561年生まれ。サキ義姉さん、とカシュウスには呼ばれていた。
サギミ
本名サギミ=ゴーガン。男性。身長175cm、日焼け肌、灰色の髪、灰色の瞳。左目と右膝から下を失っている義足・隻眼の鬼軍曹。公国暦580年夏から10月28日にかけて、キサラギ=カシュウス兵役に就いたときのカディス訓練校における訓練教官。公国暦533年生まれ。キサラギ二等兵など、新兵たちに短期間で軍事教練から裁縫、チームワークまでのすべてを叩き込んだ人物。キサラギ=カシュウスからは恐れられてはいたが、尊敬されていた。教練期間を通じて、キサラギ二等兵は累計225発、ケント二等兵は累計223発、この教練軍曹に殴られたという。「場所よりもモノ、モノよりも人で掛け替えのないものを見付けろ」と教練生に説き続けた。
ザシャト
本名ザシャト=ヴァン=カディアナス=ジェロウ。カディアナス=ザナ男爵の娘婿。ティザン公国陸軍少将。陸軍第7軍指揮官。
サディド
公国暦580年11月17日未明の戦闘で、カナキサラギ二等兵らを離脱させるために囮となって全滅した第800歩兵小隊所属の指揮官の一人。少佐。負傷して後送される。
塹壕
敵の攻撃を防ぎ避けるために、兵士の守備位置に掘った、身体を隠すための溝。深さ50cm程度の円匙で掘った程度のものから、2m以上あるコンクリート製のものまで幅広く存在する。
三点射
自動小銃の射撃設定の一つ。引き金を一度引くたびに三発連続して射出される設定のことを言う。初期の自動小銃は、引き金を引くたびに一発ずつ射出する単射設定と、引き金を引き続ける間弾倉内の全銃弾が射出される全自動の二つの設定を切り換えて使うことができたが、全自動設定時の弾丸の消耗が激し過ぎることから、前線の補給問題などを解決するために三点射設定が追加された。
サンドイッチ
(1)第357号慰安所で、エィミフィーンの手でキサラギ二等兵に手渡したサンドイッチ。「内海黒蛇の皮入り、白岩カキフライサンドイッチ」が正式名称。「効能:精力倍増、短期間の体力復帰、どんな消耗もたちどころに回復、お相手を待たせません」。苦味が強いらしい。このほか、「火炎放射器四型」なる勢力増強酒もセットになっている。「内海黒蛇の肝漬け酒」で、「火炎放射器のごとく、貴方の熱い種を彼女に浴びせんばかりにほとばしらせる精力をものにします」との効能があるのだとか。
山砲
口径105mm未満の小口径砲。もともとは砲兵隊用の近接支援火器として開発された76mmクラスの砲を指すが、公国暦580年代においては、新開発されていく砲の射程が延びる過程で砲兵隊用備砲として活躍する機会が少なくなった。そうした砲兵隊用旧式残存短射程砲を歩兵隊用に配備しなおしたもののことを山砲という。通常、大隊規模の戦力につき数門の山砲が配備される。速射砲に対して敵上空から弧を描くような弾道で榴弾や焼夷弾などを射出する砲を山砲とよぶ場合もある。射手、側的手、装填手、旋回手など、通常4名以上で運用する。公国暦580年11月のカディアナス男爵領における第7軍壊滅後退戦の際には、歩兵隊が放棄した山砲を逆に一部の砲兵隊が運用したという記録も残っている。公国暦590年ごろには、より軽量で分解しやすい歩兵携行用山砲の開発も進んだ。
シィナ
キサラギ=カシュウスの「恋人」とされた人物。
シェザ=アンナ
本名:シェザンディ=ヴァン=ティザス=ティンディシス=アナスタシァ。女性。色白、黒髪、黒い瞳、実は華奢。身長156cm。公国暦563年生まれとされているが、実際には566年6月3日生まれらしい。キサラギ=カシュウスが二等兵のときからずっと影ながら見守る女。キサラギ二等兵兵役に就いた頃、若くして親衛軍少尉として任官、以後キサラギ上等兵が捕虜となって生還した際、軍病院でのリハビリのとき、親衛軍中尉として初接触。以後、キサラギ=カシュウス将校の道へ進ませる。少尉候補生時代の頃から、主に後方で公国暦580年11月の第7軍の離反事件に加担した者の操作、逮捕、処刑に関与したほか、フスト村での友軍軍規違反者の処分など辣腕を振るったとされる。
シェザンド
男性。色白、黒髪、黒い瞳、隻眼。やや痩身。身長179cm。口髭あり。左目に黒い眼帯が付いている。公国暦540年代の生まれと推定。公国暦580年11月時点では、親衛軍大佐。第800歩兵小隊と関連ある指揮官の一人。エンフィンティアナと個人的面識があったらしく、エンフィンティアナを小娘、と呼んだ。また、キサラギ二等兵を見て、その兄か父と面識があったような物言いをする。シェザ=アンナの父親らしい。
士官
将校
士官学校
軍隊における将校の養成のため、主に大都市部に設置された官営の軍学校。満18歳までに選抜試験を受け合格した者、曹長経験者で将校からの推薦を得、選抜試験に合格した者、貴族などが入学を許され、在学中、少尉任官式(辞令)を受けるまでは准士官(准尉)として過ごす。満18歳未満の選抜試験合格者の場合、通常2〜4年間の教育を受ける。キサラギ=カシュウス公国暦587年、23歳のときに選抜試験を受け、1年ほどで卒業した。
志願兵
徴兵を義務付けた満18歳になる前に志願し、兵役に就いた兵士のこと。動員兵と比べ、昇進や配属先など優遇されることが多い。満16歳以降から志願兵として応募が可能だが、公国暦580年前後の戦局悪化時期には、15歳の者であっても満16歳相当として志願を受け付けることがあった。
師団
軍隊における部隊を編成する単位の一つ。ティザン陸軍では一つの師団は2個連隊2,048〜4,096名で編成される。師団長には、通常、中佐、大佐が就く。
輜重部隊
牛馬や車両などを用いて砲弾や食料などを前線の戦闘部隊へ送り届ける輸送隊。後方の安全地帯ではなく前線付近の部隊への補給を行なうため、戦闘部隊相当の武装、兵員が配置されていることが多い。公国暦580年冬の戦場では、共和国軍は輜重兵力として8歳以上の子供を投入し、物資、弾薬の輸送に酷使した。
シャナ
本名オーティン=シャナ。女性。身長166cm、色白肌、赤い長髪、巨乳。赤いド派手なワンピースがトレードマークの娼婦。カシュウスに「坊やなら、飛び切り安くしてあげる」と声をかけた最初の娼婦。カシュウスに「おばさん」と見られていたもよう。公国暦550年前後生まれ?
重機
機関銃の略語。口径12.7mm以上の機関銃機関砲を指す。
従軍看護婦
主に最前線から離れた野戦病院や後方の基地における軍病院などで負傷兵の看護を任務とする看護婦。非武装で戦闘訓練を受けておらず、アウグス条約では従軍看護婦の積極的戦闘参加を禁止している。従軍看護婦の地位は、兵科の先任二等兵相当。
銃床
小銃を射撃する際の反動を肩で受けるための部分。大多数の小銃の銃床は木製。
重砲
口径105mm以上の陸軍砲兵隊装備の大砲の総称。305mm攻城砲、280mm列車砲などの特殊な砲も含めた砲兵隊装備の砲を指す。一般的には105mm、152mmなど、大量に配備されている砲を重砲と呼ぶ。
シュキアス
本名シュキアス=ワーティ。男性。身長181cm、褐色肌、淡い金髪、筋肉質。眉毛太い。口髭・顎鬚あり。公国暦580年の第800歩兵小隊創設時の率いる指揮官。公国軍大尉。公国暦546年生まれ。
祝日
ティザン公国における祝日は、聖女降臨日、建国記念日、陸軍創設記念日、水軍創設記念日、新年際などがある。
手榴弾
一般的に陸軍の将兵が携行する手投げ式の爆弾。火薬の周囲を鉄片で包み込む構造になっているため、爆発後、その鉄片が周囲の散布されて殺傷力を発揮する。
将官
軍隊における少将・中将・大将の階級に就く者を指す。一般的に、中将以上の階級に就く者は、親補職とされ、爵位保持者による領主会議、大公の承認が必要となる。
将校
軍隊における少尉以上の階級の総称。通常、将校になる場合は士官学校などの官営の専門教育機関の選定、卒業が不可欠で、下士官以下とは明確な身分的差異がある。
少佐殿
シェザ=アンナ
ジョウジ
本名エンディオ=ジョウジス。男性。色白肌、藍色髪、茶色の瞳。身長173cm。公国暦563年生まれ。公国暦580年夏から10月28日まで、軍事都市カディスキサラギ二等兵と共に軍事教練を受け、翌29日未明、第601混成歩兵中隊の二等兵として初陣に参加。エリィと同じ村の出身で、常にエリィとペアを組んでいた。1年年長だったこともあり、初陣の少年兵たちのなかでもリーダーのような立場に居ることが多かった。初陣で「共和国陸軍女将校」の捕虜になる素振りを見せ、エリィケントたちの手で逃そうとするが……。
小銃
軍用のライフルの総称。小銃弾を自動的に行なう自動小銃と、手動で行なう槓桿式小銃とに大別される。公国暦580年〜590年という時代は、主力の小銃は槓桿式で、自動小銃の配備数は槓桿式小銃の3割程度だった。共和国軍においては自動小銃の配備が進んでいたが、口径が大きく、射撃時の反動が大きいといわれていた。公国軍槓桿式小銃の口径は7.92mm、公国軍自動小銃の口径は5.56mm。共和国軍側は自動小銃と槓桿式小銃の口径は7.7mmに統一されている。
小隊
軍隊における部隊を編成する単位の一つ。ティザン陸軍では一つの小隊は4個分隊16〜32名で編成される。小隊長には、通常、下士官か少尉が就く。
諸島同盟
ティザン公国南西部に位置する複数の島嶼に散らばる小国家郡が一つの同盟国家として統一された島国の通称。過去に大陸西部から諸島国家郡への干渉を強めたティザン公国と全面的な戦争を行ない、敗戦後軍備の保有を自ら放棄し、ティザン公国の軍事的保護下に入る。ティザン公国の海洋資源の重要な供給元となっている。現在ティザン水軍が駐留している。
ジン
本名ウィシーダ=ジンジィ。男性。焼け肌、茶色髪、茶色の瞳、身長171cm。公国暦564年生まれ。公国暦580年夏から10月28日まで、軍事都市カディスキサラギ二等兵と共に軍事教練を受け、翌29日未明、第601混成歩兵中隊の二等兵として初陣に参加。エリィジョウジ分隊と共に後退中、重傷を負ったアーキーを背負い、共和国陸軍女将校の降伏勧告に応じて投降。直後、共和国陸軍女将校の命令により刺殺される。享年16歳。
親衛軍
ティザン公国における軍組織の一つ。陸軍、水軍、空軍から独立した上位の軍隊。黒衣の軍服を着用し、陸・水・空軍の監督、指導などを行なうほか、情報、通信、法務などの点でそれら三軍よりも上位の立場にある。普通は最前線に出ることはなく、もっぱら後方での官僚的な任務が多い。
聖女光臨日
聖女さま
(1)レギンレイヴとPCキュレィに名付けられた、異界の超越者。 (2)PCキュレィの姿を見たキサラギ二等兵が彼女に抱いた印象。
聖女さまのペン ト
マイカ村村長のばあさんからもらった聖女さまの横顔を模したペンダント
聖女信仰
代々語り継がれている伝承。それをベースにした教会も存在する。 信者は「聖女さまのペンダント」を首からぶら下げている者が多い。
聖女伝説
聖女さまに関する伝承の数々。
戦車
装甲化された履帯付き車両の総称。公国暦530年代から本格的な開発が始まったが、高地での戦闘に向かず、また動力である発動機の開発に手間取りなかなか実戦に使えるものは開発されなかった。衛星諸国などでの紛争や国内内戦で改修を重ね、公国暦580年ごろには備砲として38mm砲を搭載し、移動式の速射砲として歩兵部隊に配備されはじめた。
戦争
クルディア共和国ティザン公国との戦争を指す。公国側正式名称は「祖国防衛戦争」。共和国側正式名称は「第45次祖国回復戦争」。「卑劣極まりない共和国なる唾棄すべき集団が、恐れ多くも大陸唯一の国家を名乗り我が公国に対してその全土の領有を主張した」という文言がキサラギ二等兵が受けた教育内容。公国暦元年以前から長期間戦争状態が続き、途中幾度と無く休戦期、停戦期を挟み、断続的に続いている。その開始時期は1,000年前とも言われている。キサラギ=カシュウスの父カジェンスの言葉によれば「人のパイを奪って、それを独り占めしようと思っている奴らが共和国の連中だ」「今あるパイを少しも分けようともしない奴らが、共和国の連中を盗人にさせている」「共和国の連中は、ほとんど雪と氷に閉ざされていて、公国南部の穀倉地帯が欲しがっている」ということらしい。停戦協定、休戦協定は、ことごとく一方的に共和国側から破られてきたとされるが、真実は不明。
宣伝ビラ
(1)共和国軍による公国軍兵士の士気、戦意喪失を狙って作られたプロパガンダ満載の宣伝ビラ。多くの場合、公国軍女性兵士の写真を大きく使い「共和国はとてもいいところです。公国軍の兵士として戦争に参加した私は間違っていました」などというセリフ付きのものが多かった。このほか、公国軍将校の戦死体の写真や、大量の食料、砲弾などを備蓄した様子を撮影した写真、公国軍や政府高官を罵倒した風刺漫画などが描かれていることもあった。
戦闘服
軍隊における官給制服の一つ。戦場に出る際に着用する。多数のポケットが付いている。丈夫で長持ち。寒冷地用、夏季用など多数の種類が存在する。 公国暦580年前後の公国軍は、新兵にあてがう戦闘服などの被服全般が物資不足により窮乏しており、戦死者の戦闘服を回収、その「銃弾跡」を裁縫によって塞がせるというのを新兵の最初の任務とさせていた。
装甲車
小銃弾の貫通を防ぐだけの装甲が施された車両。12.7mm程度の機銃弾も大部分は防御できる。ティザン公国においては小型の四輪偵察装甲車、中型の六輪装甲車を一般的に装甲車と呼ぶ。四輪偵察装甲車は、7.7mm軽機関銃を1〜2門装備し、乗員は一般的に3名程度。六輪装甲車は12.7mm機銃のほか一部は20mm機関砲を装備していることもある。定員は6名。このほか、後輪の四輪が履帯となっている歩兵戦闘車なども装甲車と呼ばれることがある。
速射砲
主に対装甲、対陣地用に使用する水平射撃専用砲。 大隊規模の歩兵隊に数門配備され、トーチカやクリーク、塹壕などの障害物陣地の正面防御を突破するために使用する。砲兵隊や歩兵隊配備の山砲などを利用し、敵陣地後方や適法兵陣地を砲撃すると同時に、突入する歩兵隊の正面突破に使われることが多かった。45mm砲、76mm砲、88mm砲などが配備されたが、公国暦590年代に入ると対航空機用の高射砲としても運用されるようになった。通常、砲手、装填手の2名以上で運用する。
村長のばあさん
マイカ村の村長らしい。聖女伝説や、精霊民話などに詳しい。