アーキー
本名ニタ=アーキーダース。男性。日焼け肌、黒髪、翠色の瞳、身長166cm、公国暦564年生まれ。公国暦580年夏から10月28日まで、軍事都市カディスキサラギ二等兵と共に軍事教練を受け、翌29日未明、第601混成歩兵中隊の二等兵として初陣に参加。10月30日未明、エリィジョウジ分隊と共に後退中、腹部貫通銃創で重傷を負う。(戦乙女のルーンにより)奇跡的に出血が止まり、共和国陸軍女将校の降伏勧告に応じたジンに担がれ投降。直後、共和国陸軍女将校の命令により8本の銃剣に一斉に刺突され、戦死。享年16歳。
アーティク大陸
ティザン公国、クルディア共和国が存在する東西に広い大陸。
アイシャ
本名ワンディ=アイシャス。女性。褐色肌、金髪、灰色の瞳、身長154cm、公国暦564年生まれ。公国暦580年夏から10月28日まで、軍事都市カディスキサラギ二等兵と共に軍事教練を受け、翌29日未明、第601混成歩兵中隊の二等兵として初陣に参加。10月30日未明、最初の交戦で、背中から銃剣で共和国軍兵士に肺を突き刺され、自身の血液に溺れ窒息しかけていたところ、ティニガ伍長が拳銃で引導を渡し戦死。享年16歳。軍事教練を受けていた期間中、同郷のミヤとペアを組んでいたが、しばしばケントからお尻を触られるなどのセクハラを受けており、キサラギ二等兵までケントとセットでヘンタイ呼ばわりされていた。
アグウス条約
捕虜の扱いを決めた条約。第8条第2項が、尋問の権利、第8条第3項が、実力による強制捜査の権利となっているもよう。
慰安所
軍人、軍属の慰安施設の総称。一般的に性的慰安施設を指す。大都市部では、男性向け、女性向けなど嗜好ごとに細分化された施設が存在する。
尉官
軍隊における少尉・中尉・大尉の階級に就く者を指す。下士官の上位に立つ前線指揮官であり、佐官の下位に位置する軍隊における下級管理職。佐官以上の者から下される戦略的任務を具体化するための指揮を執る。ティザン公国陸軍、空軍、親衛軍では大尉のことを「たいい」と発音するが、水軍では伝統的に「だいい」と発音する。
ウァンター
公国暦580年11月17日未明の戦闘で、カナキサラギ二等兵らを離脱させるために囮となって全滅した第800歩兵小隊所属の指揮官の一人。戦死時大尉。
ヴァンド
男性。色白肌、白髪、白口髭、灰色の瞳、身長178cm、公国暦520年台生まれ。シェザ=アンナが少尉候補生のときの副官。親衛軍曹長。かつてはシェザ=アンナの執事(という名の監視役)をしていた時期があったらしく、彼女を「お嬢様」と呼び、「じい」と呼ばれる関係にもあったもよう。過去に同姓同名のヴァンドゥと呼ばれる中佐がいたが、予備役に編入された後の経歴が不明。公国暦580年11月の時点では、身分を偽って少尉候補生付け副官の曹長として任官していた。
ウェスタ
本名ウェスタ=カンジィ。男性。色白肌、黒髪、口髭、茶色の瞳、身長181cm。公国暦546年生まれ。公国暦580年10月30日未明、キサラギ二等兵エリィが、死亡したケントを連れて森の外に脱出した直後、これを保護した公国陸軍第1軍所属の空挺隊を掌握する前線指揮官である大尉。ケントを喪失したことを受け入れられず、前後不覚に陥っていたキサラギ二等兵に、やんわりと次の任務を与え「兵士として死ぬ」ことを避けさせる配慮を見せる。その後、生き延びたキサラギ二等兵のことについて、「閣下」と呼ばれる人物に報告書を作成し、提出するという動きも見せている。
ウォティス
本名ウォティス=ハイデオ。男性。色白肌、淡い金髪、青い瞳、細目、身長174cm。公国暦558年生まれ。公国暦580年11月6日、カディアナス男爵領フスト村共和国陸軍女将校の尋問を行なっていた公国親衛軍中尉。キサラギ二等兵の証言を本人の前で得ることで、ジョウジが捕虜となった件、アーキージンの投降後の謀殺などの件を政治的に利用しようと画策した一人。その後、公国暦580年11月8日午後の軍事都市カディス内の第357号慰安所での捜査中火災に遭遇した。公国暦580年11月17日、フスト村に帰還したエンフィンティアナに扮したナユタ二等兵を地下で撮影。18日午後、共和国軍の大攻勢を受けた際には、電話や無線で「決戦兵器」の弾着観測中継を行なうが……
曳光弾
小銃機関銃機関砲などの連続して弾丸を射出する火器の弾道を夜間に確認するための弾。装填している弾丸の数発おきに発火剤により赤や青などの色の光を曳いて飛翔させることで、大まかな弾道と着弾先の様子が把握できる。自身の発砲や射線を暴露しないために、曳光弾を装填しない場合もある。
衛生兵
医療の専門教育を受けた兵士。一通りの戦闘訓練を積み、小銃などの歩兵携行火器を装備するが、積極的に戦闘に参加するのではなく、主に最前線における負傷者を現場で応急処置することを目的として配置される兵士。二等衛生兵、一等衛生兵、上等衛生兵の三種を指し、任期にかかわらず、二等衛生兵は最先任一等兵、一等衛生兵は最先任の上等兵、上等衛生兵は最先任の伍長相当の待遇を扱いを受ける。
エィミ
女性。色白、黒髪長髪(後頭部に結い上げ)、黒い瞳。黒縁の分厚いレンズの眼鏡装着。公国暦580年11月まで存在していた、第357号慰安所のフロント係兼実質的な現場責任者。シャナと対立関係にあったらしい。カハラの女。無口無表情で、しゃべるときにも抑揚のない無機質な雰囲気だが、印刷したかのような緻密な手描きの屋内見取り図を手渡すなど芸が細かい。第357号慰安所が火災で全焼したとき、行方不明になる。フィーンからは、エィミィと呼ばれている。
エフィー
本名ザシャト=ヴァン=カディアナス=エンフィンティアナ。女性。身長164cm、色白、淡い金髪、ヒスイ色の瞳、巨乳系。公国暦562年生まれ。公国暦580年11月、第800歩兵小隊として最初の任務で遭遇した民間人。第7軍の大部分を共和国軍側に売り渡したザシャト少将の長女。高飛車。射殺による処分を実行しようとしたキサラギ二等兵ナユタ二等兵が止めたことによって、共に逃避行が始まる。その翌日未明、追撃していた共和国軍特殊部隊狙撃兵より狙撃され、腹部貫通銃創を受け出血多量で死亡。享年18歳。
エリィ
本名クァザキ=エリェス。女性。色白肌、茶色髪、灰色の瞳。身長159cm。公国暦564年生まれ。公国暦580年夏から10月28日まで、軍事都市カディスキサラギ二等兵と共に軍事教練を受け、翌29日未明、第601混成歩兵中隊の二等兵として初陣に参加。ジョウジと同じ村の出身で、常にジョウジとペアを組んでいた。ケントとキサラギの関係以上に、ジョウジに依存していた部分があったらしく、10月30日未明、初陣でジョウジ共和国陸軍女将校の捕虜になったことで自らも死を選ぼうとするが、エリィを想うケントの強い意志により一命を取りとめる。その直後の戦闘でキサラギ二等兵を狙った小銃弾の流れ弾(ルーンで逸らされた弾)を右大腿に被弾し、カディスに後送される。
円匙
軍隊の装備の一つ。主に塹壕を掘るためのスコップ。歩兵携行用のものは、柄の部分を半分に折りたたみできる構造になっている。
王国連合
アーティク大陸東部に位置する小大陸とその周辺島嶼に広がる五つの王国が連合した国家。ティザン公国の同盟国ということになっているが、実質的にティザン公国の属国となっている。ティザン公国への重要な資源供給国の一つ。